こんにちは、za-kkiです。
最近、お客様から嬉しいお声をいただく機会が増えました。
「za-kkiさんと会うと発見があって、うれしいです。」
「za-kkiさんのアイデアを会議で共有すると、採用されやすいんです。」
本当に光栄なことですが、なぜそう感じてくださるのか、もう少し掘り下げて聞いてみました。
すると、「お客様からの質問にすぐ返答できたので、褒められ、仕事になりました」「za-kkiさんのアイデアが会議で決まり、作る資料が減りました」といった、実務的なお話が聞けました。狙っていたわけではないのですが、お客様の役に立てていると知り、心から嬉しくなりました。
そこで今回は、新卒から一貫して“営業”として活動してきた私が、これまでの経験を基に、お客様に喜んでいただくための営業活動の全体像と、各フェーズで意識しているポイントをまとめてみました。
「当たり前だろう」「よくわからないな」など、様々な感想があるかもしれません。ですが、少しでも皆さんの営業活動のヒントになれば幸いです。
はじめに~営業活動の全体像~
私の考える営業活動は、以下の4つのフェーズで構成されています。
- 準備
- アプローチ
- 提案と交渉
- フォロー
このサイクルは一般的なものですが、どのフェーズにおいても共通の大前提があります。それは、「顧客の困っていることを解決させる」ということです。
私個人として、「顧客の困っていることを解決すること」こそが、仕事をしている意味だと考えています。「とにかく売ればよい」「不要でも売りまくれ」という考え方は、私自身が好きではありません。たとえ結果的に顧客の困りごとを解決できたとしても、“売れたときの罪悪感”や“買ってくれた方への申し訳なさ”が残り、トラブルが起きたときには憂鬱な気持ちになってしまうからです。
この「顧客の困りごとを解決するためにどう活動すればよいのか?」という前提を基に、それぞれの活動とポイントをご紹介していきます。

準備〜何を準備すれば良いでしょうか?〜
「迷わず活動する」ために、準備は欠かせません。
迷った分だけ、時間を失い、良いタイミングを逃し、憂鬱な気持ちになってしまいます。反対に、迷わなかった分だけ、時間を手に入れ、良いタイミングで仕事ができ、高揚感が増します。
「計画を作成する」ことも準備の一つですが、すべては「顧客の困りごとを解決するため」に迷わず活動できるための準備です。最初の頃、上司からこのことを教わって以来、私は常に心に留めています。仕事がうまくいかないときは、まず準備を怠ったのではないかと振り返るようにしています。

では、具体的にどんなことを準備しているかご紹介しましょう。
準備していること
- 自社が誰を顧客と考えているか
- どういった人(会社)が顧客なのか
- その顧客はどんな人(会社)なのか
- 似ている既存顧客はいないか
- その既存顧客はどんな背景で何が困りごとなのか、どうやって困りごとを解決させたのか
- 上記を踏まえた仮説は何か
- その仮説にたどり着けるために何を話すか
- 自分に対して課題(小さな目標)を考え、顧客に会う数分前に見て復習・実行する
特に「その顧客はどんな人か」が分かると、準備は格段に楽になります。
私は、西口一希さんの著書「顧客起点マーケティング」に書かれている「実在する人をモデルにして考える」という方法を実践しています。

例えば、私が、設備管理の会社をお客様と選んだ場合、既存顧客の管理会社様の担当者を思い浮かべ、準備を進めます。(年齢や性別、なぜ弊社を使ってくださっているのか、きっかけ等)
アプローチ〜緊張に対する対策は課題に集中すること〜
準備がしっかりできていれば、顧客への接触は気が楽になるはずです。接触方法は様々ですが、どれも準備したことを基に進めていきます。
- 飛び込み:チラシのような1枚ものなどを用意します。
- テレアポ:テレアポトークの台本を用意します。
- 初回商談:仮説につながる雑談と使えそうな事例を用意します。
- 2回目以降の打ち合わせ:前回の宿題からスタートしていきます。
特に重要なのは、商談の最後に小さくて良いので「宿題」をもらうことです。

例えば、初回商談で、お客様が漠然と「業務効率を上げたい」と話された時、私は「具体的にどの業務で、どんな点が非効率だと感じていますか?もしよろしければ、次回の打ち合わせまでに、社内でいくつか例を挙げていただけますか?」と宿題をお願いしました。
もちろん、準備した仮説がいきなり当たる可能性は低いですが、きちんと自社や自分について話ができれば、相手に「もう少し話を聞いてみるか」と思わせられることが多いです。
特に地方では、「他社がどんなことをしているか」「自社もそれを入れてみようか」といった情報に飢えている可能性が高いと感じています。
また、商談する前には「自分は今回これをやる」と一つだけ決めていきましょう。必ずできるわけではないですが、一つだけで良いので、必ずノートや日記に書いて実行してみてください。
できた場合は、できた要因と結果、どんな反応があったかを確認します。できなかった場合は、なぜできなかったのか、その判断が正しかったのかを考え、書いていきます。この記録が今後の営業活動の財産になっていきます。振り返ると面白いので、残すことを強く推奨します。
提案と交渉〜提案して、どうしたら決まるのか?〜
提案が「決まる」かどうかは、様々な要因が絡み合いますが、高橋浩一さん著「営業の科学」が最も良い指針を与えてくれると感じています。この本には、切り返し方やなぜ決まらないのかが詳しく書かれています。

私が提案で特に意識しているのは、「お客様が社内で説明しやすいように、論理的な裏付けと具体的なメリット・デメリットを提示すること」です。
お客様から「貴社のこの提案、他社より金額高いけど、何が違うの?このままでは安い方になるよ」と言われた時です。
私は自社のカタログと他社のWebカタログを見せながらメリット・デメリットを伝えました。
「自社の取り扱っている製品は他社より金額が高く、デザインも工業系のようです。しかし、風量を細かく調整できることをよく思ってくれるお客様が多く、○○や△△で使用いただき、××系の建物では使用いただく機会が多いです。なので、風量調整が強弱だけで大丈夫な場合は他社の方が良いかもしれません。」とはっきり言うように心がけています。
(実際は上司の目もあると思うので、伝え方に注意するので、伝え方に間違いがある可能性があります)
のちにお客様にお褒め頂いたのは「自社と他社で比較して話してもらえたので、分かりやすく、説明しやすかった」とのことでした。
フォロー〜1回でお客様の困りごとは全解決しないことを肝に銘じよう〜
上司に言われ、歳を重ねるごとに痛感している言葉があります。「1回で解決しても、ずっとは続かないから、フォローしろ」というものです。
ダイエットを例にします。私はプロアスリートも見ている友人にダイエットのコーチングを頼み、すぐに痩せました。それで安心した私はコーチングをやめてしまったのですが、良いものも継続しなければ意味がありません。1年後には5kg太ってしまいました。
これと同じように、一度の解決で全てが終わるわけではありません。一つの困りごとを解決したら、新たな困り事が出てくる可能性もあります。

以前、私が担当したお客様で、当初は次世代リーダーを育てたいという課題を解決するため、30~40代の向けに研修などの教育を組ませていただきました。その研修はうまくいき、活発に職場が動くようになったのですが、「上司へ提案を通せない」や「部下を巻き込んで、プロジェクトを回せない」等の新たな問題が発生しました。
そこで、単純なスキル研修やマネジメントや組織全体の課題について等、新たな課題が出てきました。
このように、様々な要因を解消していくために、経過を観察しながら、継続的にフォローしていくことが重要です。そして、自社のサービスで完全解決に向けた提案をしていくことが、お客様との長期的な関係構築、ひいてはビジネスの発展につながると信じています。
まとめ
最後に、私の考える営業活動の全体像と、各フェーズで意識している要点をまとめます。
営業活動のサイクル
- 営業活動の大前提:顧客の困っていることを解決させる
- 準備:迷わず活動するために、顧客を深く理解し、具体的な仮説を立てる
- アプローチ:準備したことを基に接触し、次につながる「宿題」をもらう
- 提案と交渉:お客様が社内で説明しやすいように、論理的な裏付けと具体的なメリットを提示する
- フォロー:一度の解決で終わらず、継続的な関係を築き、新たな課題解決につなげる

最後までご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今回お話しした私の考え方が、皆さんの営業活動のヒントとなり、より良い成果、そしてお客様とのより良い関係構築に繋がれば、この上ない喜びです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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